辺辺
a sight of Kesen O

            あだりほどり
   気仙・辺辺の四季


   秋刀魚




秋の深まりと共に大船渡港にサンマ船の入港が頻繁になってきた。水揚げ風景
秋を代表するサカナは、何といってもサンマ。
そのスリムな体型とキラリ光銀鱗。
「秋刀魚」とは実にうまい漢字を当てたものだ。
サンマはイカとサバと同じように強い光に集まってくる。
この明るい性格を利用して獲るのがサンマ棒受網。
広い大海原に夕日が沈むころ
サンマ船は蛍光燈のように細長い
集魚灯をつけ一斉に漁場をめざす。
電光を追いかけ、
漆黒の海から躍り出る
サンマの魚群を発見するといよいよ操業開始だ。
灯火に照らし出されたサンマの集まりを確認したところで、一瞬消灯。
面食らったサンマは、光源を求めて右往左往する。
勝負はここから。
集魚灯の光を右舷から左舷に移動させながらサンマ焼き
群れを一ヶ所に追い込んでいく。
ここで出番となるのが丸い集魚灯。
「まず白灯でサンマの群れを一点に絞り込みパッと赤灯に切り替えるとサンマもパニック状態喜んで海面に浮かび上がってくる。
サンマも人間も赤いネオンには弱いのかね」と第28黒崎丸の村上満夫さん(63才)は笑った。
集魚灯に引き寄せられたサンマは
船と平行に浮いた棒受網に巻き上げられ
気がついたら網の中にスッポリ。
そのタイミングのよさが漁師の腕の見せどころとなる。
三陸沖に南下する頃のサンマのうまさは格別。
ビタミンも多く含まれ貧血の特効薬として栄養満点だから
”サンマが出るとアンマが引っ込む”というわけ。
オスとメスの見分け方を村上さんに聞いたら「オレもわからん」と一言。
魚屋さんによれば下あごの形と色つやが微妙に違うらしい。
どっちにしても、とがった口先の吻(ふん)が黄色くなっていれば、間違いなく
たっぷり脂の乗った美味しいサンマと見ていい。






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Dr    大谷俊彦
イラスト  庄司暁子
デザイン 佐藤千香子

98/09/06



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