辺辺
a sight of Kesen22

            あだりほどり
   気仙・辺辺の四季


   気仙コロ柿



農家の軒先を彩るコロ柿の玉すだれは気仙地方独特の初冬の風物詩。
そろそろ、吊るした柿が茶褐色に染まり表面に白い粉が吹き出す仕上げ時となった。吊るし柿
コロ柿はもともと「枯露(ころ)柿」のこと。
渋柿のまま皮をむき、軒下に一ヶ月ほど吊るしておくと渋みが少しずつとれ代わりに甘露な味が柿いっぱいに広がってくる。
小粒ながら種がない小枝(こえだ)柿の名は古くからコロ柿をつくっている三陸町越喜来・肥ノ田の「コエダ柿」にちなんで名づけられた。
肥ノ田の地には三百年以上前の「元祖親木」が今なお健在というから、けっこう長い歴史がある。
今年の柿は、秋口に続いた大雨と高温の影響を受けて早熟だった。
とくに老木は一年おきに豊作と不作を繰り返す「隔年結果」のせいもあり、思ったほど鈴なりにはならなかった。
それでも最近は栽培農家も施肥や、せん定など、手入れが行き届いているからまったく取れない年はない。
農家の人によると、収穫したあと”ご苦労分”の木のまわりに肥料をやるのが次柿の木の年に実を多くならせるコツだという。
柿をもぎとり、色鮮やかな玉すだれが軒を飾ってから一ヶ月。
今では遠赤外線を当てて、一気に乾燥させる方法があるが、冬の陽光を浴び寒風にさらされながら、じっくり甘味を増していくコロ柿が、やはり自然の風味に近い。
干し柿は、甘菓子としては格別だが、柿をむいた皮は干して漬け物の中に入れるとまろやかな味になる。
柿の糖度を生かした「柿なます」はお正月を迎えるのになくてはならない料理で、大根との相性はピッタリだ。
五葉おろしが吹き下ろす山里。
今年もふるさとの味がしんなりアメ色に仕上がる季節がやってきた。











本辺辺(あだりほどり)に関するご意見等は
下記まで若しくは弊社mailでどうぞ。

著作 株式会社東海新報社
0192−27−1000
FAX 0192−27−2154
Dr    大谷俊彦
イラスト  庄司暁子
デザイン 佐藤千香子

98/12/6



OFUNATO SAITOUSEIKA