辺辺
a sight of Kesen23

            あだりほどり
   気仙・辺辺の四季


   盛町の市日



平成十年も残すところ十日余り。
日を追って慌ただしさが増す中、百年以上の歴史を持つ大船渡市盛町の木町市場では詰市1伝統の「詰市」(つめまち)が今年は来週の日曜日と重なった。
木町市場組合が開設するこの市日は五日、十日、十五日、二十日、二十五日、三十日の月六回、五日ごと開かれる。
もともと盛魚市場、盛木町組市場の二つがあって、毎月十のつく日に市を開き、海産物が主だった。
市場通りの両側や路地に店を構え、獲れたての魚介類や収穫したばかりの野菜、果物、花などが並び、多くの買物客で賑わう光景は、昔も今も変わらない。
出店は登録制で、現在八十一人。
組合が敷設した屋根のかかった指定席以外は基本的に”しょば代”さえ払えば出店自由。
場所やキャリア、スペースにもよるが、詰市2組合員(十四人)の掃除料の名目で平均三百円程度だという。
詰市や盆市(ぼんまち)ともなると普段の五割増しの百二十〜百三十店が市場通りにひしめく。
午前七時、景気づけに花火の合図も開設以来の伝統だ。
乾物の店を広げて五十年になるという志田トミヘさん(75)。
「昔はリヤカーを引いで歩いできたもんだが今は車で送られできゃす。家も名前も知らなくてもいつも買ってくれる人もおりゃす。
通りいっぺんの客と違うので、品物も吟味してやんにゃど」と、大升に煮干しを山盛りにして袋に詰め込んだ。
自家製の梅干しやキナ粉、小豆を並べる新沼アキノさん(70)は「まげっから、買ってがい」とニコカコ微笑む。
知っている人の顔を見ただけで痛い足腰が治った気がする。
「気晴らしにいいのス。話かだりは薬より効くでば」と商売(あきない)を楽しむ。
生産者と消費者を直結するほのぼの市場は、生きたケセン語に触れ合える場として市民や観光客にも親しまれている。











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イラスト  庄司暁子
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98/12/20



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