辺辺
a sight of Kesen24

            あだりほどり
   気仙・辺辺の四季


   スネカ



旧正月や小正月行事が年々少なくなる中今でも脈々と受け継がれているのが三陸町吉浜地区に伝わる小正月行事「スネカ」。
秋田のナマハゲに似た行事で怪奇なお面をかぶった“ハマの大魔神”がカバネヤミ(なまけ者)を懲らしめるため各家々を回る。スネカ
「スネカ」は、スネ皮たぐりとか、火ガタたぐりという意味。
怠けて炉端ばかりにうずくまっている子どものスネについた火ガタ(火斑)皮をはぎ取りにやってくる鬼神だ。
かつては旧気仙郡のいたるところに残っていた奇習というが脚に‘スネあが’がたまるくらいのカバネヤミが昔はずいぶんいたらしい。
さしずめ、冬休み中にコタツにもぐってファミコンゲーム三昧の現代っ子たちは、スネカの格好の餌食といったところか。
今年も一五日の夜、「ングォ、ングォ」と鼻を鳴らしアワビの貝殻を腰にまとい「ジャラ、ジャラ」と恐怖感を煽り、表戸をガリガリ引っかきながらスネカが勢いよく家に入り込んできた。
「泣ぐわらすいねぁが・・・、親のいうごど聞がにゃわらっすいねぁがァ〜」と決まり文句で凄みをきかす。
あまりの名演技に、コタツに隠れたり慌てて逃げ出す幼児もいる。
頃合をみて大人たちが「スネカ様、スネカ様、オライ(家)には、泣ぐワラスもカバネヤミもおりゃせんから帰ってけらっせん」と助け船を出してくれる。
恐ろしさに身をすくめる子どもたち、スネカをなだめすかす大人たちの微笑ましい光景が、この冬も小雪が舞う夜遅くまで繰り広げられ春を待つ浜に豊漁祈願の足音を響かせていた。









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イラスト  庄司暁子
デザイン 佐藤千香子

99/1/17



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