辺辺
a sight of Kesen25

            あだりほどり
   気仙・辺辺の四季


   五葉山のシカ猟



五葉山麓の三陸町越喜来から吉浜あたりにかけて三陸地区猟区は、シカの群れ狩猟の醍醐味を味わえる鳥獣の宝庫。
ところがハンター仲間に言わせると、最近はキジ、ヤマドリなどの鳥獣はまったく振るわずもっぱらシカ猟全盛の時代らしい。
鳥獣は猟期が短いうえに、入猟日は一人オス三羽に制限。
鳥獣犬を一年いっぱい飼ったほかに、狩猟税やらハンター保険料など、諸々の費用がしめて三万円なり。
「一羽、一万円の鳥など、割に合ワン」というワケ。
一方のシカ猟期は、今シーズンは昨年の十一月二十二日から二月十五日までの約三ヶ月間。
平成六年からメスジカも狩猟の対象となり、さらに終猟後も有害駆除の許可が下りれば、当分の間は猟が続けられるからだ。
本州北限のシカとして貴重な五葉ジカが、森林伐採や狩猟制限、天敵の消滅、小雪が続いたことなどから急増。
里に下りて食害を起こし、社会問題となって久しい。
五葉山の自然と生態系全体のバランスを考えた狩猟と固体調整が続く限り、ディアハンターたちにとっては、”宝の山”といえる。
さて、犬を使ったシカ猟が禁止されて以来、猟犬の役目をセコと呼ばれる人間が担う。
数人のセコが山に入って大声で叫びながら”追いヤマ”をやる。
タチと呼ばれる十数人のハンターが追い出されたシカを待ち受けてズドンと仕留める。
「シカのマキ(群れ)は、ヒキと呼ばれるメスが先頭を切り、ノタノタ後尾を逃げるオスが撃ちやすい」とベテランのハンター。
シカはいったん走って逃げたあと、数秒立ち止まり振り向く。
「その瞬間を逃さず打ち込むのが狙い目」と瞳を輝かせた。
それでも最近は、セコが近づいても全然逃げようとしない人なれしたシカも見かける。
「まったくカモシカと同じだよ」ハンターにとって野生本能が薄れた動物ほどつまらない獲物はない。










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Dr    大谷俊彦
イラスト  庄司暁子
デザイン 佐藤千香子

99/3/7



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