辺辺
a sight of Kesen34

            あだりほどり
   気仙・辺辺の四季

         

   カマド神


「カマド神」をご存じだろうか。
農家にもほとんど見られることがなくなったカマド。カマド神
土間といろり端が一体になった台所近くの柱には真っ黒にススけたこわい形相の大きな木彫り面がかかっていたものだ。
「カマ神様」「カマ仏」「カマ男」あるいは「火男(ひょっとこ)」などと呼ばれ火防せ魔除けの御利益をもつ面がそれ。
俗に言う「ひょっとこ」はこの「カマ男」のことで口をとがらして火を吹き起こしている顔つきがまさに万人が知るあの滑稽な表情そのもの。
陸前高田市の箱根山にある気仙大工左官伝承館の土間に飾っている「カマド神」は、頭長で下ぶくれの醜男だがその大きさたるやタテ四尺、ヨコ二尺もある。
横田町の木彫師が伝承館のオープン祝いに寄贈。
ケヤキをノミ一本で粗々しく仕上げた。
以前は目玉に赤いゴムボールを埋め込んでいたが子供がこわがって入ってこないので、今ははずしてしまったという。
「カマド神に年一回、正月の時に『目をしっかり開けて家をお守り下さい』と祈る習性があった」と語るのは同館の木川田巳之助さん(70)。
いろり端正月にカマドにしめ縄を飾り粗末にするとバチがあたるとも言われた。
ひと昔前までは婚礼の時お嫁さんが嫁ぎ先に入ってくる際にカマドの前で拝礼するしきたりが気仙にもあったらしい。
火をつかさどる家の神であるとともに家そのものを守る神さま農神さまの一種という説もある。
要するに「カマド神」は、一家を諸々の悪から守り繁盛をもたらしてくれる大事な神さまということらしい。










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Dr    大谷俊彦
イラスト  庄司暁子
デザイン 佐藤千香子

99/10/3



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