辺辺
a sight of Kesen37

            あだりほどり
   気仙・辺辺の四季

         

   大漁唄い込み


半纏小正月の一五日、三陸町の各浜では子どもたちが家々を回って大漁安全を祈願する「大漁唄い込み」が行われる。
綾里の石浜地区は世帯数五十戸の小さな漁村。
いずこも伝統行事が廃れつつある中、ここでは十年ほど前に伝統の「唄い込み」が復活した。
ことしも地区内の小学生たちが正月気分も抜けない六日から毎晩、近くの公民館に集まり地元青壮年会メンバーの音頭とりで威勢のいいかけ声を響かせている。
子どもたちは青い半纏に赤の向こう鉢巻という出で立ち。
本番の一五日は、はじめに船主の家を回りそれから地区内を一軒ずつ訪問するのが習わしだ。
綾里地区では、石浜はじめ、田浜、港地区でも小正月行事の「唄い込み」が続いているが場所によって節回しや選曲が違ってくるという。大漁唄い込み
「唄は世につれ・・・というが、たとえば歌詞の『櫓櫂で漕いだ』が『機械で漕いだ』となる。
時代とともに唄の文句も近代的になるでば」と笑うのは、青壮年会長の新沼佑一さん(44)。
各家々でも心待ちにしている。
縁起のいい催しだけに一行をわれ先に座敷に招き入れては神棚を前に唄い込みを所望。
子どもたちは声高らかに「エーンヤッショ」「御祝いご〜とは」と大漁祈願の唄を披露する。
帰りには、心づくしのお菓子やミカン、ジュースなどを両手いっぱいにもらい、足取りも軽く次ぎの家をめざす。
福を呼び込むという“浜の声楽隊”の「大漁唄い込み」があちこちに響きわたると、漁師の村にもようやく春がやってくる。










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Dr    大谷俊彦
イラスト  庄司暁子
デザイン 佐藤千香子

2000/1/9



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