辺辺
a sight of Kesen47

            あだりほどり
   気仙・辺辺の四季

         

   小枝(こえだ)柿


かきの収穫
小枝柿の橙(だいだい)色がいっそう鮮やかさを増し、名実ともに気仙の特産品となった小枝柿の収穫が各地でスタートした。
ころ柿は、気仙地方の中でも主に大船渡市と三陸町の農家が栽培している小枝柿からつくられる。
お歳暮など、贈答用に人気の干し柿は全国各地にあるが、なぜか気仙ころ柿の原料になる小枝柿には昔からタネがない。
昔むかし、年老いた旅人が食べるものがなくて困っている時に、この土地の人が柿をくれた。そのお礼にと、種なし柿にしてくれたという。
この手の話は、いわゆる弘法伝説のひとつで「お前(弘法大師に食わせる鮭などない」と断った津軽地方の川に翌年から鮭が来なくなり、もてなしてくれた土地の川にその石を投げたら鮭がのぼり、津軽石川になったという話もある。
自宅の裏山に百本以上も柿の木を栽培している大船渡市立根町小林の千葉雄一さん(60)方でも、十一月の声とともに“カキもぎ”作業が始まった。かきむき風景
「今年は暑かったわりに出来はいいね。台風も来なかったから落果も少ないしね。こう気温が高いと熟すのも早いから忙しくなるよ」と、猫の手も借りたいようす。
真っ赤に熟した柿をケセン語で“うんだっこ”という。
トロリと甘く、ちょっぴり渋い食感が忘れられない。
カラスに突っつかれないうちに食べたものだが、現代っ子は見向きもしない。
収穫した小枝柿は一つ一つ皮をむき、一本の丈夫な糸に三十個から四十個ずつ一列につなぐ。
アメ色に仕上げるため硫黄くん蒸したのち、軒下につるして自然乾燥する。
今は、クルクルと簡単に柿の皮をむく機械もあるが、ヘタの部分はやはり手作業。
「農業まつりで新型の自動皮むき機を見たが、値段が百万円もすると聞いてビックリ。
ころ柿で百万円もうけるには一生かかるよ」と柿園に笑いがこぼれた。
五葉おろしが吹き下ろす頃、ころ柿の“玉すだれ”が農家の軒下を鮮やかに彩る季節がもうそこまでやってきた。











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2000/11/5



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