辺辺
a sight of Kesen50

            あだりほどり
   気仙・辺辺の四季

         

  生出(おいで)木炭 


火を入れてから七昼夜半、窯は燃え続けた。
空気の送り加減ひとつで、窯は生き物のように変化する。
煙が白から青へ、それが無色になったとき時窯は焼く人に、作業の終わりが近いことを知らせる。
炭焼きが盛んな陸前高田市矢作町の生出(おいで)地区では六〇才以上のほとんどが炭焼き技術を心得ている。
かつて、岩手は日本一の木炭生産県だった。
戦後、エネルギー革命の名のもとに木炭は燃料としての役割を電気やガス石油などに奪われ、急激に需要が落ち込んでいった。
しかし、長年の生活の知恵が結集した木炭は本物志向のグルメブームやアウトドアブーム、そして燃料以外の健康と環境面での用途が見直され、いま不死鳥のように蘇った。
木酢液には殺菌、防虫効果が、初根や長生促進などの土壌改良材として、さらに炭には、消臭、除湿、生ゴミの分解といった浄化作用があり、その用途はどんどん広がっている。
「生出の木炭は、排煙と窯口の酸素のバランスを煙道にに工夫するなど高い技術力に支えられた極上の堅炭。
木を知り、炭を焼き、収穫を喜び合う資源循環型林業の典型」と語るのは、生出地区コミュニティ推進協議会会長の佐々木栄一さん(67)。
協議会では、山林資源を活用した木炭を糸口に、地域活性化を図るとともに、炭窯のつくり方を子どもに教えるなど、炭焼きを通して“山里の文化”の伝承活動にも意欲的だ。
「伝承文化を継承し、地域興しににつなげたい」という人々の熱い炎が、赤々と燃え上がる。
生出地区は、林業の可能性を拡大させながらホロタイ(アイヌ語で原台山のこと)
の里で復活の狼煙をあげている。











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2001/2/4



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