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| a sight of Kesen53 |
あだりほどり
気仙・辺辺の四季
ウミネコの楽園・椿島
断崖連なるリアス式海岸。
ダイナミックな景観が広がる広田半島の先端にポッカリ浮かぶ二つの島が「青松島」と「椿島」。
「青松島」は県の名勝・天然記念物に、「椿島」国の天然記念物に指定されている。
毎年四〜五月にかけて産卵期を迎えたウミネコが数万羽ともいわれる群れをなして飛来し、島いっぱいに鳥の楽園と化す。
新緑の「青松島」に比べ、「椿島」は赤茶けた地肌を露呈し、樹木の繁茂を見ることは出来ないが、戦後の昭和21年(1946)ごろまでは椿が赤い花を咲かせ、ハマハイビャクシンも生育していた。
食料の乏しい時代だったのだろう。
古老は「椿島に上がってウミネコが卵を生むのを岩陰に隠れて待ち構え、それを取って塩をまぶして焼いて食べたもの」と懐かしむ。
大小の岩礁に囲まれたこの島は、明治のなかごろまでは岩窟があり、潮の出入りによって一種独特の音色を響かせていた。
それを耳にした村人は、貝殻から発するものと信じ「貝鳴(かいなる)島」という名前をつけたといわれている。
「カイナル」とは、アイヌ語でツバキのこと。
「貝鳴」の文字はあとでアイヌ語に漢字を当てはめたのではないだろうか。
宝暦十一年(1761)「気仙風土草」(相原友直著)には『貝鳴島、弁財天あり、山茶樹(つばき)多き故につばき島と言う』
との記述も見られる。
椿島でのウミネコの繁殖は早くから知られていて、魚群の探知に役立つため、猟師から大事にされた。
広田村では岩石の持ち出し、樹木の損傷、ウミネコへの妨害を禁ずる「三つの掟」を定めて保護に努めていたこともあった。
陸前高田市では現在、トベラなど植物保護などの観点から「青松島」でウミネコ産卵調査を継続的に実施し、緑の楽園を守っている。
著作 株式会社東海新報社
0192−27−1000
FAX 0192−27−2154
Dr 大谷俊彦
イラスト 庄司暁子
デザイン 佐藤千香子
2001/5/6