辺辺
a sight of Kesen61

           
   

         

  


日本人は、木とともに生きてきた。
木を伐採し、炭を焼き、家をつくっては、また植林した。大王杉
こうした自然のサイクルとはまったく無縁の、例えば「御神木」といわれるものは、巨樹巨木として全国各地の神社などで今もしっかり息づいている。
大船渡市三陸町越来来にある八幡神社境内には、幹の太さでは県下ナンバーワンを誇る「大王杉」がドッカリ腰を下ろしている。
このあたりの「杉下」という地名の由来にもなっている。
推定樹齢が七千年といわれ、気の遠くなるような歳月にわたって地域の歴史を静かに見続けてきた。
樹高二十五メートル、目通り周囲が十一・六メートル。
八人の女性が手をつないでやっと回れるほどの太さで、『北の縄文杉』の名にふさわしい風格を漂わせている。
天然記念物に指定されている。
今は故人となられたが、平成二年に日本樹木保護協会代表の樹木医・山野忠彦さん(大阪市)によって蘇生治療が行われ、新たな命が吹きこまれた。
しかし、当時は治療費用も膨大だったため、町民有志が「老杉を守る会」を結成して募金活動を展開。
総額二千二百万円の寄付が集まったという住民の熱意が伝わってくる。
大船渡市役所三陸支所(旧三陸町役場)の前の道路を東に五百メートル。
左側の山腹にある八幡神社の左奥に立つ。
見上げると、空を覆い尽くすように枝を広げた「大王杉」が頭上にあった。
七千年もこの場所に生きている「聖なる木」は、朝の光を受け、しかし生き生きと、何かを語りかけていた。














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Dr    大谷俊彦
イラスト  庄司暁子
デザイン 佐藤千香子

2002/1/20



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