辺辺

a sight of Kesen73

           
   

         

         


陸前高田市矢作町二又の気仙大工の粋を集めた「閑董院宥健尊師堂」がある。
地元では「かんとういん様」と呼ばれている。
宥健法印は、讃岐国(香川県)丸亀生まれ。
十二歳で高野山に入門剃髪し、真言宗教を授かったとされている。
今から五百年ほど前の慶長年間、感ずるところあって奥州路に錫(しゃく)を進めた。
浜田村の金剛寺にとどまり、後に矢作村で観音寺と円城寺を開山した。
ところが元和六年(1620)、この地に疫病が流行すると宥健法印は請願をたて馬越の岩洞に入り、五穀を絶って断食をした。
二十一日目の早暁、六十二歳で入寂されたと伝わる。
すると、あれほど猛威をふるった疫病は消滅し、矢作の里に再び平穏がもどった。
村人たちは宥健の行徳をたたえて、この地に祠を立て尊師を祀った。
一月二十一日には閑董院様を拝む。
縁日は旧暦三月二十一日と七月二十一日。
かつて参道に出店も並び、にぎわいを見せた。この日は今でも近郷近在から熱心な信者が参拝に訪れる。
総ケヤキ造りの尊師堂は龍、鳳凰、唐獅子の彫り物で飾られ、見る人の魂を奪う。
渡り廊下でつながる奥の院には気仙で唯一の六角堂がある。
「仙台定義如来六角堂は、この建物をヒントにした」
と地元の大工さんが話していた。
足元に名勝「白糸の滝」が岩肌を縫って十数メートルを一気に流れ落ち、まるで白糸を乱したかのように美しい。
上流にかかる「滝見橋」からの眺望は、四季折々の風景と調和してや山紫水明、幽玄の境地にさそう。





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Dr    大谷俊彦
イラスト  庄司暁子
デザイン 佐藤千香子

2003/1/19


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