辺辺

a sight of Kesen82

           
   

         

         


気仙地方の鹿踊りは、大別して金津流と行山(仰山)流の二つの系統になるといわれ、その多くは行山流を名乗っている。
大船渡市日頃市町に伝わる小通(こがよう)鹿踊りも行山流に属し、大東町大原が発祥の地とされている。
由来書によると、嘉永五年(1852年)に小通地域の松右衛門が、東磐井郡大原山口集落の喜平・喜三郎という二人の師匠から「シシ踊り」を伝授され、この地に伝えたと言う。
二年ほど前、発祥の地とされている大東町で開催された郷土芸能祭に出演した。
県内の鹿踊り団体がそれぞれ特長ある踊りを演ずる中、小通鹿踊りは「鉄砲踊り」を披露した。
この踊りは「回向踊り」「案山子踊り」など、数々の曲目の中でも十八番(おはこ)の演目。
「山ダチ(猟師)が鹿を撃って喜んで背負っていくところに、仲間の鹿が助けに来て山ダチを逆に追い払うと言う筋書き。
他にはほとんど見ることができなくなったね」と話すのは小通鹿踊り保存会の佐藤善一会長(66)。
小通鹿踊りは動作がリズミカルで歌も軽快。
鹿頭のアゴが動くのも他にない特長と教えてくれた。
背中に差す二本のササラは一見すると鹿の角のようにも見えるが、頭にはちゃんと立派な二本の角があった。
ヤナギとも呼ばれ、神の拠り所となる御幣を象徴しているといわれる。
鹿は神の使いとして古くから信仰されていた。
ゆえに山の猟師が鹿狩をする時、その祟りを畏れ、鹿の魂を供養したことから、鹿の頭をつけて舞うようになったのだという。
ササラがしなやかに、時に猛々しくうち振るわれるその姿を見ていると、鹿の動きのような流麗さの中に、神仏の存在を感じずにはいられない。








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イラスト  庄司暁子
デザイン 佐藤千香子

2003/10/13


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