辺辺

a sight of Kesen91

           
   

         

         


この辺りで棟上げ(建前)といえば「餅まき」が行なわれるのが習わし。
「ごし餅まき」とも呼ばれる。
どうして餅をまくのかというと山から切り出した木で家を建てると「山の神さま」までついてくるから神さまが好物の餅をまいて家から出ていってもらうのだそうだ。
「山の神さまは女性で、やきもち焼きだから」という話もあるが、あまりあてにはならない。
建前の日は、棟の上に五色の旗を立て、矢車といって矢を大きく描いた板を交差させる。
矢が交わったところには、男神と女神の紙雛が一対、それに鏡、櫛などを納めた小さなお宮がくくりつけてある。
五色の旗は、東に青、西に白、南に赤、北に黒、真ん中に黄色を立てる。
この五色の旗と矢車は、家人が病気や火災などにならないことを願うおまじないという。
この日は朝から親類知人や近隣から大勢の人が手伝いに集まり、赤い手ぬぐいを首にまいて景気づけ。
いよいよ棟の上から「ごし餅まき」が始まった。
大人や子どもたちが競ってこれを拾う。
一つでも拾うことが出来れば縁起が良いといって喜ばれるからだ。
イベントなどの参加者が「餅まき」に夢中になるのは、こうした風習が根づいているからなのだろう。
気仙地方の建前では、ごし餅をまく前にその家の後継ぎが四隅にまいた大きめの「隅もち」を拾う儀式もまだ残っている。
「隅もち」を拾った人が、次に家を建てるようになるという話も聞いた。
「餅まきは、結婚式で花嫁が投げたブーケを拾うのと似ているな」。
ふと、そう思った。
ごし餅を上手に拾うコツがあるという。
上を見てキャッチするより、地面に落ちた餅を拾う方が確率が高いらしい。
今度、試してみたい。




本辺辺(あだりほどり)に関するご意見等は
下記まで若しくは弊社mailでどうぞ。

著作 株式会社東海新報社
0192−27−1000
FAX 0192−27−2154
Dr    大谷俊彦
イラスト  庄司暁子
デザイン 佐藤千香子

2004/7/12


OFUNATO SAITOSEIKA