辺辺

a sight of Kesen95

           
   

         

         


♪「上がるフライキ大漁船」と、大船渡音頭にも唄われるフライキは、大漁旗のこと。
英語の「フラッグ」が訛った。
漢字で「富来旗」とはまた縁起がいい。
大漁旗をなびかせ、満艦飾で出港する漁船の勇姿は圧巻。
大鯛が跳ね、漁船の名前と祝大漁の堂々とした文字、波しぶきの力強い線がくっきり浮かび上がる。
大船渡市盛町の嶋村染工場に、今年も盛小学校の児童たちが大漁旗づくりの体験学習にやってきた。
総合的な学習の一環で、三年ほど前から実施している。
子どもたちが伝統文化にふれるとともに、専門的な技術を持つ人と交流を深められる場になればとの思いがある。
昭和四十年ごろまでは地元や北海道などから大漁旗の注文が殺到した。
造船の斜陽で注文は激減するが、今は大漁旗に代わって、祭半纏や神社の幟(のぼり)、てぬぐいなどが中心。
最近では大河ドラマのロケで使う陣幕の注文もあったという。
ブロード生地に藍花で下絵を描く。
工程の中でもこの下絵がいちばん難しく、神経を使うらしい。
デザインは朝日、宝船、恵比寿、鶴亀など縁起物が多い。
下絵に添って糊を置く。
乾燥してから刷毛で色さしをしたあと、水につけて糊を落とす。
水洗いをして張り上げ、天日に干すと出来上がり。
あざやかな色合いはカラッとした天気がつくり出す。
「子どもたちには、大漁旗づくりを通して手仕事の厳しさと完成したときの喜びを、そして豊かな海と生きる人たちの力強さを感じてほしい」と嶋村久米子さん。
潮の匂いがプンプン漂ってきそうな大漁旗には、安全と豊漁を願う海の男たちの心意気があふれていた。





本辺辺(あだりほどり)に関するご意見等は
下記まで若しくは弊社mailでどうぞ。

著作 株式会社東海新報社
0192−27−1000
FAX 0192−27−2154
Dr    大谷俊彦
イラスト  庄司暁子
デザイン 佐藤千香子

2004/11/7


OFUNATO SAITOSEIKA